短編参

□「乙女の気持ち」
1ページ/20ページ

※この話は、ダレン・シャン。
ダレンが過去を変えて、宿敵であったスティーブと親友の関係に戻った後のパラレルワールドとして見てください。管理人は、根っからの漫画派(原作は最終巻と前しか持ってませんし・・・笑)
原作よりもスティーブがおとなしめ?
要は、バンパイヤやバンパニーズの関係のない世界です。平和です。ほのぼのです。
管理人は平和主義者なので、争いは好みません。
平和なダレデビとスティアニ万歳です。

この話は、運命変更後管理人の想像で制作しております。
では、了解を得ましたらどうぞ。





何で、貴方はあたしでなくお兄ちゃんばっかり見ているんだろう。
それは、彼がお兄ちゃんの親友だから。
ただの親友じゃない。無二の親友。
それに、お兄ちゃんと彼は他の友達とは違う絆を感じる。

あたしは、何だか悔しくなった。
お兄ちゃんが羨ましくて、しょうがなかった。
だって、あたし・・・。

あたしは、スティーブのことが好きなんだもの。


【乙女の気持ち】


あたし、アニー・シャンがスティーブが気になりだしたのは三年前。

まだ十歳のときで、異性とかそこまで意識はしていなかった。
身近な男子といえば、お兄ちゃんとスティーブくらい。同じ年の男子とは遊ぶこともあったけど、女友達と遊んだ方があたしは楽しかった。
だって、人形遊びができるのは女の子だけでしょ?
たまにお兄ちゃんに、シルクフリードのお土産で人形遊びを一緒にしたけど。あれは相手がお兄ちゃんだったからね。

スティーブは、ちょっと乱暴な男の子だったわ。
お兄ちゃんから聞いた話では、暴力をふるってきた先輩を棒で倒したとか。

同じ学校だったから外で遊ぶお兄ちゃんとスティーブをたまに見ていた。
サッカーで二人のコンビは、すごかった。無敵と評されていて、言葉を交わさないのに。
まるで意思が通じているようだった。
他のスポーツでも、お兄ちゃんとスティーブはいつもコンビを組んでいた。

本当は、あたし。スティーブに妬いていたときもあったわ。
だって、お兄ちゃんを取られたんだもの。妹のあたしは面白くない。
たまにむっとするときはあったけど、あたしは段々と慣れて来た。

あたしがスティーブを意識するようになったのは、ハロウィンパーティのときね。

毎年学校で開催されるハロウィンパーティ。
ママに魔女の服を作ってもらって、あたしは友達と楽しんだわ。
お兄ちゃんとスティーブは、揃って吸血鬼の格好をしてた。
二人で真っ赤なりんご飴を舐めている姿といったら、まるで本物の吸血鬼みたいだった。

楽しい時間はあっという間に過ぎて、あたしはお兄ちゃんとスティーブ。
三人で帰るはずだった。

けど、あたしはドジをした。
いっぱいお菓子が入った袋を、教室に置いてきてしまったの。
お兄ちゃんとスティーブは、暗い夜道の中会話で盛り上がっている。
あたしは一人で、学校に戻った。
大丈夫だと思ったのよ。一人でも平気だって。

でも、上手くはいかなかった。
学校は暗くなっていて、さっきまでやっていたパーティが嘘のよう。
怖くなったけど、勇気を振り絞って閉められた校門へ入った。
どうしてそこまでお菓子に囚われるのかって?
パーティの後、連休なの。しかも三日間よ。せっかくいっぱいお菓子をもらったのに、傷んで無駄になっちゃうじゃない。
女の子は甘いものが大好きなんだから。
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ