短編六

□「人生は愛色まっしぐら」
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【ジャンル】現代パロ
【傾向】ラブコメ いちゃいちゃ
【R度】12?



【人生は愛色まっしぐら】



とある町に二つの家があった。
左側はゴール家。右側はモンキー家。仲の良いお隣さんで、ゴール家には男の子が。モンキー家には女の子がいた。
二人は仲睦まじくいつも一緒。小さい頃から手を繋いで外へ駆け回り、家ではプロレスごっこ。ご飯はとりあいで、喧嘩してもすぐに仲直り。二人で笑って、楽しんで、ときには悲しんだ。

やがて恋に落ちて、めでたく恋人同士に。
それは、周囲が引くほどラブラブオーラを放っていた。



モンキー家の居間にはまさに甘ったるいラブラブぅ〜な空気が漂っていた。
一つの座布団の上にエースが胡座をかいて座り、その上にルフィが抱き合うように座っている。しかも寄り添い、手を合わせて。甘い撫で声で呼び合う。

「エ〜スぅっ」

「ルフィ〜っ」

「エ〜スぅっ」

「ルフィぃ〜っ」

そのイチャイチャっぷりに、ルフィの祖父ガープは我慢の限界。ついに突っ込んだ。

「あーーーーっ!!さっきからうっとおしいわっ!!少しは遠慮ってもんを知らんのかお前ら!!」

ばんっとテーブルを叩き、皿の上のつまみや酒が揺れ動く。
今夜は隣同士の家での楽しい飲み会。ところが、この二人のせいで楽しいどころか存在が濃い為、全くもって盛り上がらない。気分が苛々とするのは、この部屋でガープのみ、なのだが・・。それをルフィはきょとんとした顏で応えた。

「遠慮?だってここは、おれん家だぞじぃちゃん」

「なー、ルフィ」

「な〜、エース」

互いに確認。大変仲の宜しい二人に、ガープはこのぉ〜とキレかかるも、隣で悠長にお酒を呑むエースの実父ロジャーが宥めるように肩を叩いた。

「ほっとけガープ。俺達にも青春した時期があっただろ。散々好き放題して暴れたじゃねぇか」

「ロジャー!貴様は今でも好き放題しとるじゃろ!大体、お前がエースを放任しとったからルフィまで影響を受けて・・」

腕を組んでぶつぶつと呟くガープに、ルフィが指をさして非難をあげる。

「あーっ!じぃちゃん人のせいにしてる!たまにしか家に帰って来なかったくせにっ」

孫の声に、ガープはぐぐっと息詰まる。その様子にロジャーはくっくと笑った。
そしてルフィは筋肉質な胸板に頬ずりする。可愛いなぁ、とエースは彼女の顎を持ち上げて色めいた口調で言った。
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