東方司令部
□拍手A
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新年小説。
《颯風の錬金術師》
物静かな部屋でぬくもりを感じる。
『ん…っ』
唇が離れ、トロンとした眼でロイを見つめる。
1年最後の日にロイとセルシアは一緒に居た。
ただキスをして抱き合って、ロイの部屋でのんびりと静かに過ごしている。
『あ‥‥』
「どうした?」
『ロイさん、雪。
雪が降ってます』
ロイの腕から抜けて、セルシアはパタパタと窓際に向かう。
「あぁ、珍しいな」
『綺麗ですね』
「セルシア、風邪をひくよ」
後ろからロイに抱き締められ、セルシアは頬を赤らめた。
「どうりで寒いと思っていたら雪か…」
『このまま積もるのかな』
「この様子では積もりそうだな」
大変だなと思いつつも、口には出さなかった。