希望の発火布

□第B話
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ロイの瞳には新たな決意の炎が宿る。


野望が叶ったから、そこで終わりではなく、これはまだ第一歩に過ぎないのだ。


「よし、決めた」
「何を?」
「指名手配には殺人や様々な奴等がいる。
国民の不安を取り除くのも大総統の仕事だろう?」
「そうですね」
「上層部が味方でないなら、下の者から味方につけようではないか。
指名手配の者を見つけ出す強化期間にしようではないか。
捕まえた軍人には賞金を与えよう。
下官の給料は安くて大変だと以前、ハボックが叫んでいたことだし」
「あなたという人は…ι」
「そのお金はどこから出すんですか?
国民の税金から?」
「まさか、税金にそんなものは使えない。
前に資産家から取り押さえたものがある。
違法だったし、あれは国のものになる。
そこから払えば何の問題はない」
「なるほど、それなら問題ありませんね」
「上層部から文句を言われませんか?」
「地位を剥奪、そう脅せば黙るだろ。
もう上層部に遠慮はしない。
私は私らしく、強引にでもやり遂げる」


上層部が自分をよく思っていないのは誰もが分かることだ。
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