絶対可憐チルドレン

□素直になれたら
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僕は兵部が好きだ。


でも、上手く好きだと認められない。


だって相手は敵だし僕は普通人だ。


こんな、普通人なんかの自分を好きになってくれるはずがない。


でも僕は兵部が好きだ。


「やぁ皆本君」


「兵部!…」


「おっと、銃を構えるのはよしたまえ」



確かに、こいつに銃は効かないな。



皆本は銃を仕舞う。


「何しに来た」


「いちいち用があって来ないといけないのかい?」

「ないなら帰れ」


「冷たいな皆本君」


早く、僕の目の前から消えてくれ。


じゃないとお前が欲しくて堪らなくなる。


「僕は君が好きだよ」


「え…」


兵部は皆本へちゅっとキスをした。


「な、にすんだこの
変態!」


「変態とは酷いな。君も僕が好きなくせに」


「う…違う」


「嘘はいけないよ?頭の中では四六時中僕でいっぱいになってパンクしちゃいそうなくせに」


少し大袈裟にいいすぎたかな?…。


「お前なんか大嫌
いだ!」


嫌いに大がついた?!と、兵部はショックを受ける…。


「嫌いだ嫌いだ、大っっ嫌いだ!!」


しかも連打された(泣)


流石の僕もそこまで言われたら傷つく。


「素直におなりよ」


「五月蝿い!!」


どうせ僕は普通人だ。お前の大嫌いな普通人なんだよ!!


「確かに君は普通人だけど、僕…皆本君が好きになっちゃったんだ。仕方ないだろ?」


「兵部」


皆本は泣きそうになるのを堪える。


好きと言われて凄く嬉しい。


「まだ嫌い?」


「っ…嫌い、だ」


ここまで頑固だと兵部は溜め息をつく。


「なら…僕、真木か葉の所にいっちゃうけどいいの?」


「何、それ」


「2人に告白されたんだ。好きです少佐…ってね。襲われそうになったけど君のために脱出したよ」


兵部が襲われた?!!…。


「愛してる皆本君…君はどうなの?」


「ぼ…くは…」


嫌だ兵部…僕を置いてかないでくれ!!


「そう思うなら…わかってるね?」


「ん…」


僕は観念した…。


「兵部が…す…」


「うん?」


「す…」


「………」


「す」

「…。」


…すで止まる。あと一文字なのに。
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