絶対可憐チルドレン

□教え子
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僕は皆本光一21歳。現在家庭教師をしている。


「少佐、皆本さんがいらっしゃいました」


「げ…またかよ。毎日よく来るな…追い返して」


兵部はまだ眠っている…。


「すみません皆本さん、今日少佐は体調が悪い様でして」


「またどうせ寝てるんだろ?」


皆本はニッコリ微笑む。どうやら見破られているらしい。


皆本は上がり込むとズカズカと進み兵部の部屋へ向かう。


「起きろ!兵部」


「はぁ?!…ったく君は物好きというかお節介というか」


布団を剥ぎ取り無理矢理兵部を起こす。


「顔洗って歯を磨く!ちゃんと服着替えなさい」


「う〜…真木もまたこんなお節介野郎雇いやがって」


「真木さんに感謝しなくちゃな。兵部の規則正しい生活をさせられる」


「君、いつでもやめていいんだよ?こんな僕に構ってる暇があったら他の子でも」


「僕が好きでやってるんだ。お前が学生終わるまでとことん付き合ってやる」


「あん?…って事は、今中3だからひいふうみぃ…6年間かよ!ふざけんなっ」


「宜しくな兵部〜」

くそー冗談じゃない!!

「皆本さんいらっしゃい。いつも助かるわ。それじゃ私仕事行って来ます」


「はい。お気をつけて」


「少佐の事お願いします。冷蔵庫におやつのプリン2つ作っておきましたので少佐とお召し上がり下さい。あとお金はいつもの所にありますので」


「わかったありがと。真木さんネクタイ曲がってます」


「すまん…」


皆本はネクタイを直す。


「行って来ます」


「行ってらっしゃい」


「んじゃ俺もバイト行って来まーす」


「行ってらっしゃい」


「僕もちょっと出掛けてくる」

「ああって…お前は家に居なさい!!何どさくさに紛れ込んでるんだ!」


出掛け様とする兵部を引き摺り込んだ。


「朝食は真木さんが作ってあるから。ほら、温めてやったぞ」

「君は?」


「僕はちゃんと食べて来ました」


皆本は兵部の前で広告をチェックしている。


「家そんな金に困ってないからそんなしなくても」


「少しでも安いの買った方がお得だろ?」


皆本が来る前まではずっと1人 で家に居た。
真木達は仕事がある。こうして側に居てくれる人が出来たのは真木のお陰かな…。


そういえばもうすぐ皆本の誕生日だっけ。


皆本が兵部家にやって来て半年立つ…。


「さて…僕は家事をやってるからその間に兵部は勉強する事」

「まだ朝じゃん」


「学校にいる皆は朝から勉強してるの!」


「ブー…」


食器を片付ける皆本。兵部は部屋へ行き机に向かう。


「はぁー。面倒臭…でもやらなかったら皆本君怒るしな」


怒ると怖いからなあの人…。


兵部はシャーペンを動かした。


午前中に家事を終わらせ皆本は椅子へ座り兵部を見張る。


「次の××を答えなさい…この問題はこの公式を使ってここへだな…」


「…」


「でこうなって…こう。…おい、聞いてるか?」


「んー?…うん」


「じゃあ解いてみて?」


皆本の解説はわかりやすい。だから聞いてるだけで頭に入ってしまう。


「よくできました」


皆本は赤のボールペンで花丸してあげた。



「さぁおやつのプリンだぞ」


「やったー」
白の丸いテーブルへ紅茶とプリン、あと皆本の焼いたクッキー を用意する。


「上手いか?」


「うん♪」


嬉しそうに食べる兵部はとても可愛い。


皆本は兵部といる時間が凄く幸せだった。


「今夜はなぁに?」


「野菜が安いから鍋にしようかな」


「わーい♪」


「お前も買い物行くか?」


「行く」


皆本と近くのスーパーへ出掛けた…。


「皆本君ってこれ作れる?」


「ああ…出来るよ」


「じゃあこれとこれと…」


皆本に手作りして欲しい物をカゴの中へ入れて行く。お菓子も買って兵部は満足した様だ。



「そういえばもうすぐ皆本さんの誕生日ね」


「あ、はい」


夕食を食べている時紅葉が話題を出した。


「プレゼント何がいい?」


「お構い無く」


「駄目よ。皆本さんはもう家の家族みたいなものだから。ねぇ少佐」

「うん」


「家族か…そういえば皆本さん1人暮らしなんですよね?」


「はい」


「そっかぁ、よし決めた♪」


「姉ちゃんずるい教えてよ」


「プレゼントくらい自分で考えなさいよ葉」


「ちぇ…」
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