スマブラ島
□X. FIGHTING BASTARD
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カースルはいつもと違った賑やかさだった。
メンバーたちがやられる前に倒しているため、被害はそれほどひどくはないが、パニックになっている人が何人か目に付く。
コロウはその人たちを追い越し、メランカリーへ走った。
まだ敵の姿は見えない。
初めて行くメランカリー。
10mほどある木製の大きな橋を渡る。
今は誰も居ないメランカリーは、刑務所のあるクライムの隣にあり、その刑務所の管理や裁判を行うところとして作られた街。
そのため、仕事をする者だけが住んでいる。
中には他の街に家をもっている者も居るらしい。
街はとても静かでとても暗い。
カースルとそう離れているわけでもないのに、空が暗く見える。
だが、妖怪が居るようにも見えない。
静か過ぎる。
コロウはあたりを見回しながらゆっくりと街を歩いた。
同じような家が立ち並び、人の気配は感じられない。
ふと、後ろから声を掛けられた。
「あの、すみません。」
コロウは振り向く。
そこには中年の男性が立っていた。
はっきりとした喋り方で、警官のような制服を着ている。
「退治屋さんですか?」
「はい。」
コロウは頷いて答える。
「私は連絡したクライムの役員です。こちらです。」
そう言い、前を歩いていく。
コロウはその後に続く。