†コラボレーション†

□LOVI総一郎!
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「おじさん!」

「夜神局長!」

「夜神さん!」

「父さん!!」






そこは某キラ捜査本部、
広い部屋に綺麗な絨毯がひかれ、洒落た家具には無雑作に書類が置かれている。

そしてその広い部屋に異様な人口密度を作りだした集団。
小学生、怪盗、探偵、容疑者(?)
そしてその集団の中心に位置する人物(被害者)、
夜神総一郎ただ一人。





「ねぇおじさん、ここって変じゃなーい?」

「夜神局長、此方の情報網にですね!」

「夜神さん、この間みせたデータの話なんですが」

「父さん、この資料の詳細なんだけど」


三人掛けのソファの真中に総一郎が座り、左右にキッド、竜崎、背後に月、そして膝の上にコナンがちょこんと座っている。
そして口々にキラ捜査の話題を喋りだす。

しかし唯一の凡人・総一郎。
当然聖徳太子でもなんでもなく、四方からの発言は一つすら聞き取れることはなく、

「・・・・・・コナン君、キッド、竜崎、月。頼むから順番に話してくれ・・・」

眉間を押さえうなだれるのみだった。



・・・・・・・・・チラリ。
交差する4つの視線。

そして始る順番争い。

「一番最初に僕がいったんだ!」

「私は最新情報をいっているんです!」

「指揮をとっているのは私です!」

「前からいっていたのは僕だ!」

「でも今言ったのは僕だよ!」

「ですから今言うべきなのは私です!」

「いいえ順番は私が一番目に決まっています!」

「我侭を言うなよ、この場合間を取って僕だろう!」

「屁理屈だよそんなの、だいたい年少者を優先するのが普通だよ!」

「それこそ屁理屈ですよ、此処は年長者の私です!」

「年齢不詳がなに言ってるんですか、此処で偉いのは私ですよ!」

「年齢も地位も関係ないよ、誠実さだ!」

「僕が一番おじさんに近いんだから、外野は黙ってよ!」

「生意気ですよ、そもそもなんで膝にのっているんですか!」

「そうです、夜神さんを占領しないで下さい!」

「というか、そこは元々僕の指定席だ!」

「わっ、高校生が言うにはキモイよ!」

「どちらの席でもありません、コんの猫被りが!」

「はっ、貴方も化けの皮が剥れてますよ!」

「ああ、嘘吐きが触れて良いものじゃないんだよ父さんは!」

「ファザコンもいい加減にしなよ、僕はおじさんが大好きなんだよ!」

「歪んだ愛は醜い物ですよ、私は夜神局長に敬愛を示してるんです!」

「国際指名手配者の敬愛などたかが知れています、私は世界的探偵ですよ!」

「関係ないじゃないか、僕は息子だぞ家族愛は誰にも負けない!」

ぎゃいぎゃいと騒ぎ出す四人、そして内容は事件のことから順位争い。
そして最終的に誰がどれだけ総一郎を愛しているかになり、
それまで黙っていた総一郎も段々とエスカレートして行く会話に、静かに口を挟んだ。


「コナン君、キッド、竜崎、月。黙りなさい・・・」


「「「「・・・・・・」」」」


「松田、ちょっと此方へ」
「えっ? あ、はい」

黙って眺めていた松田は突然の呼び出しに戸惑いながらソファに近づき、


ギュー。

ハグされた。


「「「「あぁぁぁーーーーーー!!!!」」」」

目の前で起きた突然の出来事に驚愕し叫びだす小学生、怪盗、探偵、容疑者(?)
中心で自体を全く理解していない松田に、ほんわかとした表情を見せる総一郎。

そして固まった四人を尻目に飯を食いに行こうかと扉をくぐり、本部を後にする総一郎と松田。



「おじさんが・・・・」
「怒って・・・」
「松田を連れて・・・」
「行っちゃった・・・」

「「「「!!!!!?」」」」


「ちょっ、どうするの!? おじさん怒っちゃったよ!?」

「どうって、どうすればっ!?」

「わ、私に振らないで下さい! ワ、ワタリッ―!」

「兎に角、あ、謝らないとっ、ごめんなさいしないとぉ!!?」

キラ事件を追っている頭脳とは到底思えない会話を繰り広げながらオロオロと部屋を徘徊する。

「なんで怒ったのかな・・・?」

「私達が、えーと、騒いだ、か・・・ら?」

「え、ええ、98%でそうでしょう・・・」

「・・・だとすると騒がないように・・・」


「「「「仲直り・・・?」」」」


お互いの間に気不味い沈黙が流れ、張詰めた緊張。
動く事すらためわられるのは意地かくだらないプライドからか。


最初に折れる大人は誰だ。
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