*Shiki* 4巻
□第92話
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ひとまずあまり人の来ない所で腰を下ろす二人。くっ付いたままの手に困っていた。
ハルキ「これどうしよう……」
シュウ「と、とれないなら仕方ないんじゃないかな! しばらくはこのまま一緒にいるしかないよねっ!」
困っているのはハルキだけだったようだ。
ハルキ「でもさ、万が一夜になっても離れなかったら……一緒に寝ることになるんだよ。それはヤバいでしょ」
シュウ「ハルと……ハルと寝られるのッ? いや、その、それは……嬉しいかも……」
ハルキ「なんか言った?」
シュウの発言の最後の方は声が小さくて聞き取れていなかったようだ。恥ずかしいからそれはそれでよかったけど。
その後もお互いの手は離れることがなく、いつしか陽は沈みかけ夕方になっていた。そろそろ戻らないといけないと思い、二人はティティーが取ってくれたという宿へ向かった。
宿に行くとマーサとクリスに冷やかされた。
マーサ「熱々だなハルキ。もう片時も離れたくないってか」
クリス「もうチューはしたの?」
ハルキ「テメェらそこに座れ」
ハルキはしっかりと状況の説明をした。ついでに説教もしておいた。「人をからかうんじゃない。からかうぐらいなら助けろ」と。しかし二人は笑って聞いているだけというタチの悪い態度だった。
とりあえずマーサが魔法の解除を試みる。しかしいくら頑張っても解除できなかった。
マーサ「まるで呪いみたいだな。効果が切れるまでそのままの状態でいるしかない」
ハルキ「なんとかしてよ〜」
マーサ「だってこれ、魔法の発動に失敗してんだもん。それで逆に複雑になって解除ができなくなってる」
例えるならテレビのコードが絡まったような感じ。下手にいじるとさらにヒドいことになる。だから今は放っておくしかない。