*Shiki* 4巻

□第91話
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 海中を走る汽車だから海中汽車。名前の由来はそのままだ。
 島や大陸を結ぶこの世界の交通機関だが、乗車賃が少しばかり高いため気軽に乗ることができない。しかし目的地に早く行けるため大勢の人達に活用されている。日本でいう新幹線のようなものだろうか。

 ハルキ達はシキの神殿に向かうため海中汽車に乗っている。
 シキの神殿はパーサ村の近くの森にあるのだが、そこまで線路が伸びていないため、一応一番近くであるエルフの集落付近で下りることにした。

 ハルキは部屋の窓から海中の景色を眺め、歌っていた。



『Smile』
作詞・唄:ハルキ

 Smile.. 君の笑顔
 Smile.. 素敵な笑顔
 Smile.. いくらですか
 Free.. 0円ですよ

 ポテトにケチャップ付けるかい
 いいえお塩で充分よ
 明日を夢見る僕達の
 フライドポテトが愛しいよ

 M・C・D・O 触れ合って
 S・M・I・L・E(字余り!(バックコーラス)) 溶け合って
 新たに注文しないとね
 フリーな値段の Smile を……



ハルキ「……どうかな?」

マーサ「いや、知るか」


 ハルキは呆れた表情で立ち上がった。


ハルキ「わかってないねマーサ。僕はね、もっとビシッとしたツッコミを欲しているわけですよ。それなのになんだ、その放置っぷりは。僕的にはその態度は気に入らないな。よって失格」

マーサ「なにが失格だバカ」

ハルキ「もう人生が失格」

マーサ「ちょっ……! そこまで言わなくていいだろうが!」


 ハルキはぐったりと椅子にもたれかかった。


マーサ「暇か?」

ハルキ「暇だ」

マーサ「汽車内でも探検してきたらどうだ?」

ハルキ「そうする」


 汽車内は相変わらず豪華で、ピカピカのシャンデリアがぶら下がっていたり、赤い絨毯が敷かれていた。
 一人で探検してもつまらないので、シュウかクリスも呼ぼうと思った。
 二人の部屋の扉をノックして中に入る。


ハルキ「うわっ、お酒臭い!」


 シュウとクリスはなぜか酒を飲んで酔っ払っていた。
 
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