□太陽の糸
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しなやかに伸びた腕が薄い金の髪に触れ、零れるように降りていった。
「恭弥?」
金色の持ち主は突拍子もない相手の動きに切れ長の目を丸くさせ、何度か瞬きを繰り返す。
睦事の後でさえ甘い戯れを拒否する彼が自分からこんな触れ合いを求めるのは非常に稀な事だった。
稀な事だからこそ、ディーノは何事もないかのように瞼を伏せていつものように笑みを作る。髪に触れる細く骨ばった指に自分の掌を重ね、僅かに花の匂いがする雲雀の首筋に顔を埋めた。
 
 
 
甘い時間がすぎる。
まるで、雲雀の匂いのような。
「…細い髪の毛。こんなんなら将来は目に見えてるね」
「……。」
「十年後が楽しみだ。」
堅く、コシのある黒髪の男はふと笑って細く輝く金色の髪に唇を寄せた。




END








うちの雲雀が珍しくよく喋ってます。

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