book(back)

□欠片
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真っ暗な中
底無しの闇






何も無い






何処を見ても


延々と続く絶望



終わる事は無い

今まで見てきた筈の記憶が

何一つ思い出せない

今頭にあるのは

自分がブックマンで
教団に居た

…ここまでだ

それ以上何も思い出せない















いや、後一つ
思い出す事がある

血…だ

大量の血と
ユウの死体







………ユウ…?
ユウって何だろう
思い出せない…









「………ビ…」

?…

「ラビ…」

ラビ?
誰だ………?

「ラビ、ラビ…!!!」

次第に大きくなる声

重たい瞼をあげれば
長髪の青年が
俺の傍らに居た

「………」

冷めた目で
その青年を見つめる

「……!!…良かった…ラビ…」

抱き付く青年

誰か分からない


「……だれ…?」

途端に止まる青年

「分からない…のか……?」

みるみる内に哀しみに満ちる青年



哀しみは止まない

END
 

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