NOVEL

□LOST MY...
3ページ/5ページ

 「やった〜☆」
 と、涙をながして、何度も自分の番号を確かめたのもはや3週間前。今、あたしは初めて着た高校の制服:紺色のセーラーに着慣れない感前回で、母さんの支度を待っている。

 「母さん、まだ〜?」
 「もう少し!」

 やっぱり娘の入学式って親も張りきっちゃうものなんだろうか。あたし自身は、もう寝癖も直したし、準備万端ってとこなんだけど。なんで早く起きた母さんが遅いの!?でもまぁ、入学式に普段着着てこられると恥ずかしいのは自分だし、母さんは美人でオシャレだからちょっと自慢だし・・・、


 あたしが、小さいころよく兄さんと背の比べっこしたときの柱の跡を見ながらぼぅっとしていると、

 「久美。準備できたわ。行きましょ」

 母さん、すごくオシャレしてる。けど主役のあたしより目立ってるのはいかがなものか……ちょっと悔しい。
次へ
前へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ