□嫉妬にご注意
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可愛いエプロンを身につけてキッチンに立つ私。
今日はいつもの私とは違うのだ!
何故ならば2月14日はバレンタインの日。
それに向けて私はバレンタインチョコを美味しく美しく作るという目標を計画して今より練習をするのだ!
お相手は愛しい遊星の為に愛のチョコを作るのだ!
キッチンに昨日買って来たチョコとトッピングや道具などの材料を集めて私はレシピを見ながら調理を開始した。
『まずはボールに砕いたチョコを入れて湯煎の入ったボールの上でゴムベラで溶かすのか』
レシピを見ながら丁寧にやり遂げていくと次はバットにチョコを流し混む作業に入った。
『クッキングシートをバットに乗せてチョコを流し込むんだね』
トロトロと流し込むとレシピには1時間冷蔵庫に冷やすと書かれていた。
『よし!これでオッケーね。1時間経ったら最後の仕上げに取り掛かろうっと』
1時間はあっという間でもあれば長くも感じる時間だ。
その1時間を潰す為に私はテレビを観る事にした。
しかしテレビを観ている途中で眠気に襲われ私はいつの間にか夢の中へと吸い込まれていった。
どれくらい経ったのだろうか?
私は周囲の騒ぎに目が覚めた。
ク「だから謝ればいいって言ってんだろ!」
ジ「断る!俺には謝罪≠ニいう2文字はない!」
遊「クロウの言う通りだ。ここは謝るべきだ」
クロウとジャック喧嘩に遊星が必死になって宥めていた。
訳が分からない私は眠気眼で周囲を見渡すとアキも一緒にいた。
『んにゃ?何の騒ぎ?』
私が声をかけると何故かクロウは真っ青な顔をして後退りをした。
一方で遊星は少し戸惑いながら私を見ていた。
ク「あ…お、俺ちょっと用事思い出したからこの辺で失礼するぜ」
そう言ってクロウはどこかへと逃げるように去って行った。
遊「特に…何でもないんだ…だから…」
ア「ジャックが貴女の手作りチョコを食べてしまったのよ」
アキの一言で私眠気は一気に覚めた。
『え!?』
ジ「…………」
驚く私に対してジャックの態度は変わらなかった。
その瞬間私の瞳からボロボロと涙が零れた。
ア「え!ちょっ!」
ジ「Σ!」
遊「!」
『うっ…酷いよ…せっかく…せっかく遊星の為に作った…チョコなのに…ひぐっ…』
ボロボロと流しながら言う私に三人は驚いた。
すると遊星は私の元に近づき頭を撫でた。
遊「わざわざ俺の為に作ってくれたのか。ありがとう、その気持ちだけで俺は嬉しい」
『遊…星…』
この光景に黒いオーラが二つ出ている事など戻って来たクロウ以外誰も知らない。
END