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□距離
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近くて遠い。今のあたしにはぴったりの距離だ。小さい頃笑顔が消えたあたしを笑わせようと頑張っていた彼。あんなに近くにいたのに今はとても遠い。

触れたくても話したくても身体が声が上手く動かないし出ない。有名になってファンが増えて中には良い雰囲気で話してる人も居たからかもしれない。

仲の良い凜子ちゃんは彼と話す時いつもと違うのが分かる。ファンであって近くに居て良い雰囲気で彼と話している。

それを遠くで見て嫌な気持ちになって怖くなって何も出来ずにただ遠くで見守っている。だけど見てるだけでは辛くなるだけでそれならその場を離れた方がいいと思った。

皆から少し離れた場所にちょうど素敵な場所を見つけた。それは誰も近寄れない場所だけど素敵な景色が見える所。あそこに居れば誰にも気がつかれずに済むし一人になるには都合が良い。だからあたしは皆に気がつかれないように抜けてその場を去った。

涼しい風と綺麗な景色があたしの心の傷を癒してくれる。他の超人さん達とは笑って話せる。明るくなれる。超人さん達にも言われた。「キミといつも話していると勇気や元気のパワーをくれる」と。…あれ?でもなんでだろう?他の超人さん達とは違う気持ちで彼を見ていてこんなにも遠く距離を置いてしまったんだろうか…?嫌いではないのに…。






























(嫉妬で出来た距離)
(それは恋と言う一文字)


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