忍者

□その日に思った
2ページ/4ページ

「お前の瞳が悲しそうだが・・・」


すると彼女は、ハッと顔を上げて俺の手を振りほどいた。


「貴方に解るもんか!!アタシの気持ちと家族の身を!!」


目に涙を溜めて彼女は、叫ぶ。気がつけば彼女は独り言のようにまるで狂った人形のように嘆いた。


「父さんの仕事場は酷すぎる!寧ろその仕事場の上の奴が悪いんだ!父さんが何をしたって言うのさ!?過去の出来事を引きずって目の色を変えて今更仕事の内容を理由もなく変えて後から理由を言っておかしいじゃない!手当てもなく給料も下げられて・・・父さんに仕事を辞めろと言ってるようなものじゃない・・・」


言うだけ言うと泣きじゃくった。それを聞いていた俺は、彼女をいつの間にか抱きしめていた。


「なっ!!///」

「その話しかと聞いた。俺が殺ってやろう。お前の父を苦しめる奴を俺が消してやるよ」


彼女を抱き抱えるとその場を離れた。突然の事で混乱する彼女に更に付け足した。


「俺がお前の父を苦しめる奴を殺ったら俺と付き合わねぇか?」


俺の言葉に彼女は、少し悩んでから俺の顔をじっと見るなり答えた。


「隈があるとなんか不気味・・・」


一番気にしている事を言われガックリしていると彼女はニッコリ笑った。


「でもその方がカッコイイから付き合っても良いよ」


慰められてるのかからかわれてるのかどっちにしろ交渉成立には、変わりない。


.
次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ