お題

□新婚雰囲気は……0%!
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五人で住み慣れた館を離れ、新しく(おばちゃんによって)建設されたマイホームで恭平とスナコは暮らしていた。
広すぎる家に二人では何だか落ち着かない、という事で家事や仕事以外ではいつも二人で共にすることにしている。


今まで五人で住んでいたものだから、一人が少し不安になるのだ、と、前までのスナコとは想像がつかないような発言をしたものだから、恭平は「空からしゃれこうべが降ってくるんじゃ…」と心配するぐらい驚いた。

結婚式はまだ少し先になるが、籍を入れているので新婚には間違いない。
だが、二人の雰囲気はとても新婚夫婦のものではなかった。




「また抹茶アイス食べましたね!返してください!」

「ふはははは、返してほしくば俺の胃でも抉ってみろバーカ!」




新築の家の中で走り回る二人。部屋が厨房に行き着くとスナコが迷いなく包丁を取り出した。それには流石の恭平も青ざめて「か、買い直します。だから止めろよ?」なんて言う始末だった。

新婚雰囲気を1%も漂わせない二人。

それを知ってるのは蘭丸と武長、そして雪だけだったりする。
乃依も何度かこのような場面を目撃するが、乃依の目には特殊な乙女フィルターが貼っており、すべてが照れ隠しやおしどり夫婦、というふうに勘違いをしてしまっているぐらいだから惨劇を観劇として見てしまっているので知らない内に入る…と、武長は長々と語る。


そんな武長をよそに、スナコと恭平の喧嘩は続く。それを蘭丸と雪がテーブルに肘を置いて頬杖をつきながら見学する。
ワンパターンのようで、結末が違うから見ていて飽きないのだ。
交際前はなんの発展もなく喧嘩だけだったので見ていて飽き飽きするものだったが、交際してから二人は少しずつ変わってきていた。
さて、それが結婚してからどうなっているのやら。蘭丸と雪は密かに気になっていた。




「抹茶アイス!ふたつ買ってくるんですよ!」
「はあ!?ひとつでいーだろ普通!」
「恭平のぶんもです!また食べられたら嫌ですし」
「俺はイチゴのが好きだ!」
「じゃあなんで私の抹茶アイス食べるんですか!」
「そんなの俺がお前にかまってほしいだけなの!」
「……」
「……」




ボッと煙を立てるように二人して顔を紅潮させたのを、蘭丸と雪と武長(参加した)は見逃さなかった。



end

(喧嘩するほど仲がいい。新婚雰囲気はまるでないけど)



*グダグダですみません…

 

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