ショート・ストーリー
□五日間の花
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気付いたら病院、起き上がれば医者がすぐに飛んできてくれて、目が覚めたか、と尋ねてきた。
あれからどれくらい時間が過ぎたのだろう。
妻が呼び出され、僕らは医者から余命を宣告された。
『持って後六日間です』
嘘だろおい。
子供なんてまだ中学生なんだぞ。
妻とはまだ20年間しか一緒にいてやれてない。
大体、僕亡くして店はどうするんだ。
僕は戸惑うばかりで、医者の話なんてもう覚えていない。
とにかく、僕は入院で残りの人生を送る場所を失った事だけは理解出来た。
これだけで、随分時間をロスしてしまった。
残り、五日間。
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