ショート・ストーリー

□モノクロード《下》
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「ふぅ〜、ようやく逃げ切れたか」


黒猫の少年、黒は路地裏でひっそりと息を潜めていた。


(それにしても・・・何だ、この薄気味悪ぃ場所)

薄暗くて埃臭く、今にも『何か』が出そうな場所である。


(こんな所、早く出なきゃ)
「おい、そこの少年」




びくっ





高くもなく低いとも言いきれない声が辺りに響いた。


「で、でででででっでで、」
(でたぁぁぁぁぁぁあ!!!)


黒は物凄くわひょわひょしている。
詳しく言えば手足をわひょわひょと動かして今にでも逃げ出そうとしているのだ。
否、気分的には時速100キロは軽く越してる程早く逃げている。


今すぐ逃げたい。
逃げたいのだが、金縛りのように足に力が入ってくれない(実際は腰が抜けただけだ)

黒は、もはや自分が何をしているかすら分からない程わひょわひょしていた。





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