ショート・ストーリー
□過ち
2ページ/3ページ
『好きです、付き合って下さい。』
普段とても物静かで、本ばかり読んでて、でも笑った顔は凄く可愛くておとなしい綺麗な級友に告白された。
良くドラマでヒロイン役と成り得る美人だ。
クラスの他の男子ならウハウハだろう。
そんなクラスのアイドルに告白された僕。
しかし、残念ながら恋愛を全く経験した事の無いアニメオタクの僕。
返事の仕方なんて分からない。しかし、目の前で顔を真っ赤にして震える彼女を見て、返事をしない訳にはいかない。
実は憧れのあの子からの告白なのだ、しっかり返事しなければ。
「僕も、君が好きだよ」
か、噛んでなかったかな?
告白された時の返事ってこんなにもドキドキするのか!
顔が熱いのが分かる。
「・・・でも僕、二次元の世界しか興味無いんだ」
だから、そんな僕もまるごと好きでいて下さい。
そう続こうとしたら平手打ちされて、泣きながら走って逃げられた。
ぽかん、と口を開けて白く霞んでゆく景色を見た。
二次元にしか興味無いけど君だけは特別だって伝えたかったのだけれど、
びっくりしすぎて巧く言葉には出来なかったらしい。
「・・・僕、何か間違った事言った?」
過ちを見つけるのは、夜にネットで遠くの友達に相談して集中的に30人近くから叩かれた後になる。
あとがき→