ショート・ストーリー
□Re:久しぶり
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おはよう、という声に反応して、俺は顔を上げた。
朝二番に声を掛けたのは俺の親友の川口功だ。
あまり騒がしくなくて隣にいて心地良い奴なんだけど、それは単に面倒くさいから。極度の面倒くさがりやという訳ではないからクラスで浮かずに済んでいるんだけど他のクラスの子達からは話しかけづらい印象を持たれているらしい。
でも良い奴なんだぜ、初めて会った時俺にキャンディーくれたもん。
と誰に彼の紹介をしているか分からないけど考え込んでいたら、功に首を傾げられた。
「何してんの?」
「聞いてくれよ、こいつら靴箱でうっさくてさぁ」
教室に着いてもまだ言い争ってるコーキと渋谷を指してため息を吐くと、功は眼鏡を上にあげながら「放っときなよ、」と呟いた。
「いつもの事だし、また面倒くさくなるよ」
「すでに面倒くさいんだけどな」
二人で苦笑して、先生が来るまで談笑するために功の机に移動する。
すると、一人のクラスメートが近づいてきた。
「渉ちゃん、今日宿題やったか!」
「ちゃん付けやめい!そしてやったけど貸さねー」
にやけながら言うと、そいつは功へと矛先を変える。まぁ、無駄だろうけど。
「川口ィ!!」
「やってないよ、面倒くさいもの」
「いや、やろうよ」
こいつ面倒くさがって宿題やらない日があるんだもん、たまにだけど。
それでも成績がいいのは先生受けがいいからか。
だから皆宿題やってない日は最後にこいつに聞く事になっている。
あぁ、また宿題をしてない馬鹿が来た。
「わぁぁあたるちゃぁぁああん!!
宿題見せてぇぇぇえええ!!!」
「は、鼻水垂らしながら走ってくるなぁあ!!」
むしろ顔から出るもの全部閉まってから来い!ってか来るな!!
「功 助けて!!」
「めんど。」
先生、早く来てください。
(渉ちゃん、ここは!?)
(知るか、功に聞け)
(川口!)
(教えるのめんど)
(功、どうやるんだっけ?)
(・・・渉はどうしたい?)
((・・・))
続く