ショート・ストーリー

□私と夜空と男な彼女
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「家に泊めてくれ。」

確か一昨年まで女だった少年の開口一番がそれだった。







「どうしたのよ、急に」


私はいきなり目の前に現れた親戚、飯塚弥生に事の真相を尋ねた。
明らかに家出少年に見える彼女。
確かに一昨年なんて遠い昔の様に思ってはいるが人間こうも短期間の内に性別まで変わってしまうものなのか。
ってか家出だったら叔母さん家に送り届けなきゃじゃん。あー面倒臭い。


「あんたには関係ないじゃん。」

生意気にもぷいっと顔を逸らせた弥生の頬っぺたをつねってやる。


「あだだだだだ!」
「この口か、この口がそんな小生意気な文字列を並べ立てるのか。」
「夢も何も無い事言うな!」


こいつ、本当にあの弥生か?
顔は整形してないらしく以前から少し大人びただけになったけど、前はこんな反抗期じゃなかった筈だ。
あー、叔母さん育て方間違えたかな、うん。
どっちにしろ可愛くない。
もうこいつ弥生じゃねーよバッキャロー。

「何独り言呟いてるの気持ち悪いな」
「言ってねーよ!一言たりとも息すらもお前に向かって吹き掛けてねぇ!!」
「いや、失礼な言葉がひっついた吹き出しがほら、頭上に雲みたいに・・・」
「んなわけねーだろが!
人の考え勝手に想像するなボケェッ!!」




本当っに可愛くない。





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