万感交交至る

□モノノ怪
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烏の羽が黒くて黒くて
ことさらに早き梅雨なり
兜の重き頭
床につくのは
いつのことやら

盛る街の夜の道
いけどもいけども
変わらぬ鯉
狸の変化にとらわれし犬
二度や三度で
あきらめるべからず

やわらかい生肉の弾力感
きをとりなおし
やり直す
止まることも
動くことも
無理に鞭打つ
相乗効果で沼のそこへ

綺麗な唇は強奪を
悲しい心は玉砕を
身振り手振りで
つたえることさえ
できずに泳ぎ
無限の空間

息が持たずに溺死
受入れられず餓死
橙色の空の星の主
大きさのちがう足
何もできずに無視


恐怖を恐怖と捉える若者
香水かなにかで匂いを纏え
考えの浅い愚かな馬鹿共
目がわかれば合格だ
西の方からの血
上下左右はまばらな歌声
果実の甘み


魚に例える事には飽きて
だから要するに
泳ぎ疲れた
山羊や馬や羊の事さ
人形劇のはじまりはじまり
罠だらけの君への道
平らなものなど
何一つ

こぼれる滴は涙の事で
滴る液は紅い血の事

首吊りが趣味の
カッコいい少年少女
自分の心を殺してしまう
表面だけだよ
それは牢獄
閉じ込められてない
閉じ込めてんだ
そこは部屋さ
いつでも出れる


救急車の音
点滅信号
街灯の光に
虫の集会
月の光に
皆の夢々


あらまほしき
この衝動たる
肉体的欲望からなる
怒りや悲しみの
矛先にあたる
虫けら共の
悲惨な叫び声

聞いて欲しいが
黙れ聞くな
矛盾など
なくてはならない
親友さ

心臓的な
働きを
あの白いのは
できるのか
煮物や味噌汁を
作れる母の
ことだけにしておけば
不可能では
なかったのに



貝の巻く渦に
見入り
時を忘れて
回り続ける


根は
ささえること
茎は
ささえること
葉は
ささえること
花は
美しいこと



明日の美しさを
うつしだす鏡が
あるのです





Teru.
 

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