2部小説

□BestFriend
1ページ/2ページ

波紋の呼吸をしていたら、もっと、ずっとずっと若い肉体でいられたのだろう。

でも、若くいられたからって、一体なんだというんだ。
妻が年をとって。娘が年をとって。友人も、孫も、息子も、みんなみんな、年をとって。
自分だけが若いままで。
それじゃあ、何の意味もないじゃあないか。

…あぁ、それでも。
もし、自分の隣に、彼がいてくれたならば。
少しは、考えが変わったのかもしれない。

「…なぁ、シーザー」
若い姿のまま二人で修業して、競うように力を付けて。
馬鹿みたいに笑って、本気の喧嘩もして。

淋しがりな自分でも、ずっと、波紋の呼吸を続けたかもしれない。


いつまでもいつまでも、自分は本当に子供だ。
昔っから何一つ成長なんてしちゃいない。
相変わらず自分の周りはバタバタしているし。独りでいるのは嫌だし。努力は嫌いだし。ガンバルのだって大嫌いだ。

…なぁんて、こんなコトを言っているのがバレたら、きっとお前はまた
「JOJOッふざけるのも大概にしろ!」
って、説教をし始めるんだろうなァ。
キザで口うるさいヤツだったけど、今ではその声が懐かしくってたまらない。

久しぶりに、JOJOって呼ばれてみたい。

お前の口から呼ばれれば、尚更嬉しいんだけど、な。


もう少ししたら、聞けるだろうか?


もし、お前の口からもう一度「JOJO」と自分を呼ぶ声が聞けたなら。その時はきっと、二人とも笑って一緒にいるんだろう。

「シーザーちゃん♪俺は幸せな家庭を築いて、天寿をまっとうして来たぜぇ〜い」
(ピースピース!)

これでもかってくらいに口を横に伸ばして、そう言ってやるんだ。
あいつが出来なかったコトを、やって来たんだって教えてやる。


淋しがり屋な俺を、独りおいて先にいっちまったんだ。
そのくらいの復讐…嫌がらせは、可愛いものだろ?
次へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ