貰い物

□バレンタイン6日前
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「ひろ、今年チョコいる?いるよね、けってーい。」



机に突っ伏しながら常磐は言った。
言われた本人は机の上に出来たお菓子の山(誰か彼か休み時間の度にくれる)を小
さな体の中に片付けている。



「ひろってば僕の話し聞いてる?チョコあげるんだから、お菓子くれるよね。」



もぐもぐ、もぐもぐ、お菓子の山は瞬く間に消えて行く。

最後の一口を口に放り込んで振り向くと、常磐はゾッとする様な笑顔で笑った。



「お返しはひろでいいから、ね。」



何の事?と首を傾げても常磐は答えない、唯唯笑うだけ。
その笑顔の凄みをしるのはクラスメート達。

彼ら二人に話しかける者がいないのがその証拠。
気付かないのは彼一人。



「じゃあ、ひろ。他の奴にチョコあげたら許さないから。」



バイバイ、と言い残して常磐は違うクラスへ消えて行った。
大方他の人達に牽制を掛けに行ったのだろうと予測されるがそれに気付く程彼は
常磐の黒さに気付いていない。

(だから僕が好き放題出来るんだよby常磐)



彼は一息つくと、鞄からお菓子とジュースを取り出して、また食べ始めた。
隣りのクラスから「ちょっとどこ触ってんのこの腐男子がァアア!!!」と叫ぶ
常磐の声が聞こえるが、まあどうでもいい。





そろそろ昼休みも終わりだ。


END
 

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