貰い物
□柊ハセ
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「何?それ」
インした途端、柊に呼ばれ広場に行くと挨拶も無しにいきなりそう言われ、ハセヲは微かに眉を寄せた。
「…何が?」
「いや、だからそれ」
柊が指差している所は、ハセヲの目。
ハセヲは暫し考え、あぁ、とかけていた眼鏡を外した。
「これ?」
「そう、それ。ハセヲちゃん、眼鏡なんかしてなかったわよね?」
「あぁ」
「じゃあ、それ何?」
「チート」
「…」
サラリと言ってのける。
「…あ、でも欅がよこしたんだからな?
『ハセヲさんなら眼鏡も似合うだろーなぁ』
って言って」
そう言って再び眼鏡をかける。
「…柊?」
「…」
なんか面白くない。
他人からの物をすんなりと身に付けているのが。
自分はこんなにも独占欲があっただろうかと考え、苦笑。
「…柊…?……寝オチ、…じゃねーよな」
でも、見上げてくるハセヲを見て少し顔が熱く
なった。
(可愛い)
ハセヲが前に話していたオーヴァンやら八咫やら、彼奴らがグラサンやら眼鏡をかけても怪しいだけだが、ハセヲがかけると可愛い。
(これを眼鏡萌って言うんだろうか)
心の中でだが、少し素が出てしまった。
「…おい、柊。……おい!!」
「…っ」
体を押され、漸く我に返った。
「どうしたんだよ?」
「……、何でもないわよ〜?」
「嘘くせー……。何か企んでるように見えたぞ?」
自分はそんな顔をしていたのか。
というか、どんな顔だ。
「ねぇ、ハセヲちゃん」
「あ?んだよ」
「それ、チートなのよね?」
「あぁ」
「じゃあ……」
ヒョイッ
「お仕置き決定〜vV」
「はぁ!?担ぐな!!つーか何だよお仕置きって!?」
「忘れたの〜?私は月の樹よ?チートアイテムを使っているPCを見逃す訳にはいかないのよ」
「月の樹はもう解散した
だろーが!!」
「現在復興中よvV」
「知るかんなの!離せ!!つーかこれは欅が…!」
「……大人しくしねーと、腰ガタガタ言わすぞ…?」
暴れるハセヲの耳元でそう低く囁くと、ピタリと大人しくなった。
微かに顔が青ざめている。
(まぁ、どっちにしても腰ガタガタ言わすけどな)
借りてきた猫のように大人しくなったハセヲを担いだまま、柊は口端を吊り上げた。
‐END‐
戴いたときについていた謝罪→