まえのおはなし
拍手連載+10
『何これ』
「攘夷浪士の流れ者だと」
『それが反乱起こしたわけだ』
「そうらしいですねィ」
哀哭 アイコク
センチメンタリズム+10
「死ね!幕府の犬ども!!」
「けっ、何すんでィ」
『沖田!後ろ!』
「んだよ、もう。数さえ揃えりゃいいと思いやがって」
『油断してんじゃないわよ』
「誰が油断なんかしたんでィ、喧嘩売ってんですか、アンタ」
『売ってませーん』
「売ってんだろィコノヤロー」
『野郎じゃないもの』
「なぁ、勝負しやせん?」
『勝負って?』
「倒した人数が多い方が勝ち」
『よし、沖田くんには負けない!』
「俺が勝ったらアンタの全部もらいやすぜ。賞品として」
『……は』
「心も体も人生も全部でさァ」
『は、馬鹿言ってんじゃないわ』
「アンタがもしも勝っちまった時はアンタの好きにしなせぇ」
『沖田、アンタ』
「俺にアンタのこと、諦めろってんならそれも……」
『……』
「じゃあ今から。ズルは無しで、まぁ俺は負けねぇから安心しな。アンタは俺のもんになる運命でさァ」
『……あぁ、もう。信じらんな、何か泣きそうなんですけど』
「おい、余所見すんなよ」
『分かってます、ねぇ土方さん』
「あぁ?何だよ」
『こんな時に泣きそうなですけど、どうしましょう』
「は?」
『負けたいんだけど……勝たなきゃいけないんですよね』
「何言ってんだ、おい」
『あたし言わなきゃ……沖田、に……ほんとの、こ……と』
「おい!しっかりしろ!」
『……』
「おい!!」
頭がぼーっとして、
体は動かず目は重たい。
真っ黒の世界
(意識は急に消えて行く)
レスはRe:にて。