LOST

□ヒトリ
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『五月〜。聞いて私好きな子が出来たの。』



可愛らしいツインテ−ルを揺らしながらやって来た女の子は幼なじみの浜辺香(ハマベカオリ)。

明るくて可愛くて皆の人気者。


そして…


香に僕は一週間前に告白された。


僕はあの時普通に断ろうとして泣いてしまい、今考えるととても恥ずかしく、あまり会いたくなかった。


『えっと…。この前はごめん…。』


『本当に。全く、どっちが告ってるんだかわからないし。あの時はマジで私のこと嫌いなのかとマジショックだったんだよ〜?』


はっきり言われて反論出来ない。


『本当にごめん…。』


香は笑顔でいいよっと言った。


『わかってる。それが五月のいいところだって知ってるから。優しいんだよね。五月は私を傷つけたくなくて泣いたんだもん。それが好きだったから。』



だから、いいのって言う彼女はとても綺麗で僕にはやっぱりもったいないと思った。


『で。好きな子って…?』


僕は聞く。


『五月のとっても良く知っている人。』


まさか…。


と思ったが


それは予想外の答えだった。
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