小説部屋

□君と僕
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ポン…と置かれた頭の上の温かい重さ

僕は顔を上げた。

そこには君がいた。

「どうした?」

「っ……」

気付いてる。

「…大丈夫だから。」

あともう少しで流れそうになる涙を耐えて無理やり笑った。


「行こ」


君はそれだけ言って手を掴んだ。

駄目だ離さなきゃ…

君は僕と一緒にいたらいけない。

巻き込んではいけないんだ。

「…離して」

「駄目」

君は笑って言った。

全部昔から君はお見通し。

君には泣いたらすぐにバレてしまう。

言って欲しい言葉をくれて

一緒にいてくれた。

その温もりはとても心地良くて。

離れなきゃいけないのに
離れたくない。

僕と手なんか繋いだら後で誰かに悪口を言われるかもしれないよ?

それでも君は…いいの?
それでも傍にいてくれて
嬉しくて

嬉しくて

僕のせいで

ごめんなさい。
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