書架 4

□悪人
1ページ/1ページ


なぜ、もっと早く出会わなかったのだろう?
出会い系サイトで知り合った保険外交員を殺害した男と、彼に出会った女。
加害者と被害者、それぞれの家族、友人、関係者。さまざまな想い。
幸せになりたいというただそれだけの願いのために始まった逃避行。本当の悪人とは一体誰なのか?
『朝日新聞』連載を単行本化。

重い。読後感がこれほど重い作品は久し振り。
出会い系で知り合った女を殺害した男・・・・今の世の中なら、さほど珍しくない殺人事件。
その殺人事件から時間を遡り、さまざまな人物の口から事件に至る経緯が語られていく。
やがてそこに現れたのは、誰にも理解されずに生きてきた孤独な心だった。
『愛』を求めずにはいられない人間のエネルギーに圧倒された。

殺人は言うまでもなく悪だ。けれど、真の「悪人」とは一体誰なのか?
この作品を最後まで読んでも、その答えは簡単には見つからない。


2008.6.11

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ