書架 5

□カウントダウンノベルズ
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ある週のJ-POPチャートのトップテンにランクインした10組のミュージシャンたちを描く。

眩しいスポットライト、熱狂的な歓声、華やかな芸能界。けれど、それは永遠の場所ではない。夢をつかみたい、その夢を見続けたい、消えたくない、輝き続けたいと願う戦いの場所。
誰もが自分の才能だけを信じて、ギリギリの毎日を生きている。
「負け組」、「勝ち組」という言葉では終われない、終わらせることができない青春の物語。

豊島ミホの描く世界としては華やかな音楽業界と歌手達だなんて意外!と思ったけれど、
豊島マジックに掛かると、スポットライトの当たっていない時の彼らの苦悩や悲しい情熱が
リアルに描写されて、急に身近な青春小説になる。
驚いたことに、執筆にあたっての取材は一切しなかったらしい。

興味深いのは、明らかに浜崎あゆみと倖田來未をイメージして書かれた作品があること。
他にも実在のアーティストをイメージしていると思われる作品がある。

残念なのは、まず「企画ありき」のお話のようなので、10話分もあると、一話一話の内容が、やや薄味になってしまったこと。
もう少し、読みたいなというところで、各話が終わってしまった印象。

それにしても、バンド名や曲名が、笑っちゃうくらいダサいのは、わざとなのかが気になる(笑)


2008.11.23

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