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□不確かで、確かなもの。
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私には、まだこの気持ちが何なのかわからないけれど。
多分だけど。
とても頭の良いLの言うことだけど。
今回ばかりはLが間違っていることを証明してやるのだ。
「…L」
はい?とLが言うより速く、私はLに思いきり抱きついた。
ドーン、と音がしそうな勢いで。
Lは不意打ちを食らい、よろりと重心を崩す。
そのまま私を抱きとめた格好で後ろにぺたんと尻餅をついた。
「真希さん。痛いです…」
背中に腕を回しながらも、顔をしかめるLに私はきっぱり言ってやるのだ。
「私、変わらないからね」
「そんなこと、わからないじゃないですか」
それはそうだけど。心の中で呟く。
私は口をむぅっとへの字にする。
「じゃあLがわかるまで、ずーっと側にいて証明する」
大真面目な顔でそう言えば、Lは苦笑した。
はぁ…とため息もひとつ。
目が合い私たちは笑い合う。
Lは私のしつこさに。
私はLの困り果てた顔に。
そうして私は、Lのほそい首に両腕をしっかりと巻きつけたのだった。
end
2011.11.13up