*comic

□n)夜
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長い廊下を歩く

ここも暗い

両側に間隔をあけて灯るゆらゆらした蝋燭の光だけが見える

何だかものすごく淋しい気持ちになる光景

いつぞや日本国のスギ君宅へ泊まったときは電気というものがあり
スイッチを押すだけでパッと部屋が明るくなった

「電気か・・・・あれは便利だな・・・アッシュにつけれるか相談してみよう・・・」

暗い気持ちを抑えるようになるべく可笑しな事を考えた

古城に電気

「・・・・似合わないな」

少し自分の考えに苦笑

暗くて長い廊下を蝋の火に導かれるように彼の部屋に向かった







「・・・・・もう・・寝てるよな」

いざ彼の部屋の前についたが扉をノックするのに気がひけた

胸のざわめきで気持ちが滅入りそう

彼に・・・スマイルにあいたいな

今入って起こしたら嫌な顔するかな

いや優しく頭を撫でてくれるかな

後者であってほしい


「・・・・・・・」

コン・・・コン

小さくノック

鍵は・・・・かかってない

意をけしてゆっくり扉を開ける

キイイイイイ・・・・

静かな夜では扉を開けるときの音も煩い

心の中で煩いぞ!と怒鳴る

何か気持ちは焦っていた・・・のかもしれない

不安

何とかスマイルの部屋に入ったがやはり彼の部屋も暗い

その暗さに励ましていた自分の心がまた滅入る

変なガラクタ

暗闇でみると何だか怖い

無表情なロボット人形が嫌な感じ

部屋の周りを見渡し目的のスマイルが眠っているベッドに目をやる

姿はこちらから見えないけど布が膨らんでるのを確認して少しほっとする

静かに静かに近づく

驚かそうとかそういうわけじゃないけど

息をのんで近づいた

ベッドの横まできて覗き込む

そこには寝ているスマイルがいた

無防備な

気持ちよさそうに寝ていて

少しコノヤロウとか思ったり

そっとスマイルの髪に触れる

自分の口元が緩んでいるのに気づきぱっと手を引っ込める

肩に手を乗せ軽く揺らす

「スマ・・・・スマ・・」

小さく声をかけるが反応は無い

人差し指で突付いてみる

これも反応が無い

軽く耳をひっぱてみる

少し眉間に皺

「んー・・・」

と不機嫌な声を漏らすけど起きない

「何で起きないんだ」

普通の疑問だった

もうこれしかない。とスマイルの頬をペシンと叩く

これで起きるだろうと思ったけどスマイルはまた眉間に皺を寄せ体を反対側に向いてしまった

「前者・・・だったみたいだ・・・」

迷惑だった

それはそうだ。こんな夜中に・・・

しばらくスマイルの背中を見つめる

あの背中に抱きつくのはできない

嫌な顔される・・・から

胸のざわめきと現状に少し視界がゆるむ
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