恋物語
□あの日から聴こえる橙色のめろでぃ
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「雛森、帰りに時間ある?」
「あるけど・・・?」
「んぢゃ、昇降口で待ってる。」
それだけ言うと、日番谷は友達の居るところに戻って行った。
それを見ていた雛森の友達が、彼女をからかった。
今日は、卒業式。
校庭の桜が、綺麗に花開いる。
時期が時期だけに、普段なら何でもないような行為が、何故か意味を持っているよに思えてくる。
「桃ォ〜、あれは絶対告白だよ!!」
「どーすんの!??日番谷、結構女子から人気あるよ〜。」
雛森が告白されるっという結論に至った彼女の友達は、自分の事の様に喜んでいる。
とうの本人はと言うと、彼の言葉に少し期待を持ってしまった事が恥ずかしくて、顔を赤くした。
自意識過剰かも知れないけど・・・
卒業式にそんなこと言われたら、誰だって期待しちゃうよ?
「桃の好きな人って、日番谷なの?」
以前、友達に尋ねられた事がある。
その時は、何故そんなふうに思われてしまったのかも解らないまま「ただの、幼馴染だよ。」っと答えたのを覚えている。
今、同じコトを尋ねられたら、自分はどう答えるのだろう?
恋愛感情がどんなものなのか、正直言って解らない。
けれど、彼の言葉に期待を持ってしまった自分は、彼の事が好きなのだろうか?
夕焼けの赤い色に照らされて、友達も私も頬が赤く染まっていた。
けど、私だけは特別熱を隠し持っていた。
とくんっ、とくんっと小さな心臓の音がうるさく感じた。
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