小説2

□拍手倉庫
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日向ネジの遺体が消えた

大戦終わり、里全体での葬儀後。まだまだ誰も、どこも。余裕なんて無い中で。それでも。と、個人の葬儀を執り行いたい意思を日向家が…正確には当主。日向ヒアシが示したタイミングだった

「管理してたのはどこなんだよ!」
「…落ち着け。先ずは当日の状況を確認すべきだ。」
「それはもう終わってる。駄目、何も出てない。」
「…、…そんな…。」
「関係ありません。必ず見付けます!」
「……そうよね、うん。そうね!」
「思う所があるのは判るが、一旦仕事に戻るぞ。それからだ。」

「………どこに、いったんだってばよ。」

忽然と、跡形も無く。煙のように
誰、ではなく。今この大戦後に、『里内から遺体が消えた』という状況がまずかった。混乱を与えない為に情報は秘匿されつつも。彼を思う者達は勿論。その事実を伝えられる上部含めて秘密裏に、広く捜索された
しかし。死体の数が増える事はあっても。消えたのはそれ一つ。時間の経過と共に、諦めの空気が流れ始める
そうして、いつか。揉み消しとまではいかないが。その一つは、大きな波に埋もれてしまう
諦めない者達もいるそんな時だった
遺体が増えたのは

「どうして。」

何度も、誰もが繰り返す。どうして、只でさえ。もう誰も失いたくないと刻み。まだ彼も、見付からない中で
明らかな己自身での死と判断されたそれは…惜しむ人の声あれど。淡々と、粛々と進められ。焼かれ、すっかり軽くなった白を渡し箸する中。…ふと。気付いた医療忍者が目を見開く

「…なんか……数が、」


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