ポエム


□柚空様
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  愛しき彼方の君


キラキラ輝くスノーホワイト
それに負けないお洋服
ピンクと白の、一番のお気に入り
この日の為にあきらめずに探したの


ブラックローズは
いくら歳月を重ねようと
変わらない
黒と白が織り成す退廃的モチーフ



待ち合わせ
銀座のヴァンパイア・カフェ

一人の少女は白い息を吐きながら急ぎ足
又もう一人はずっと地面を見つめて



お互いの指には
Sの証の指輪が薬指を飾っているはず、
そのはずでした



“…あの、貴女がブラックローズ?”

“もしかしてスノーホワイト…?”


氷の中と言う永遠が欲しい
そう想いながらブラックローズは左手を後ろ手に回し一筋のを零す


嬉しそうに微笑んだスノーホワイト
はちみつレモンの入った小さなタンブラーを取り出して手渡す


“寒かったね、はちみつレモンどうぞ”

“あのね、あたし!”


泣きながらタンブラーを受け取ろうとすると
ふたの上にはお揃いの、
無くしたはずの、
指輪

“文通の通り、あわてんぼうさんなのね”

震えるブラックローズの薬指に指輪をそっと通す

“ごめんなさい”

涙をハンカチで少し拭いたスノーホワイトは
その目元に優しくキス

ブラックローズは
はちみつレモンを持ったまま両の手の平をかざすと
応えるようにスノーホワイトも触れる

二人は合い言葉の
“愛しき彼方の君”
と見つめあって囁いた


これからは
“愛しき我が君”


2010.1.3.(日) 23:41

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