壊レ掛ケノvivaceヲ君へ・・・

□幕開け
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『・・・まぁ』


昨日
去り際に彼女達が言っていた
「明日を楽しみにしててね」という言葉を楽しみに学校に行くと
下駄箱にある異変があった



『素敵なお出迎えね』


中には沢山のゴミが詰まっていた


『でも、ゴミくらいじゃまだぬるいわね』


ゴミを退けて上履きを出そうとするといつもならある場所に上履きがない



『あら、もしかして上履き


捨てたのかしら?』



まぁ、予想の範囲内なのでどうなろうと構わないけれど

そう思い
私は靴を履き替える事なく校内に上がった






教室に着くと神崎サンはいなく
彼女以外のクラスメイトほぼ全員がいた


私が教室に入ると
教室の空気は一瞬で静に包まれたがすぐにゲラゲラと下品な笑いが飛び交った


見てみると今度は私が使っている机に大量の落書きがあった


『・・・(たったのこれだけ?)』



それを私が黙って見詰めていたのをショックを受けたと勘違いしたのか
チラホラと数人の生徒が嫌味を含めたで話し掛けてきた


「お前の机汚ねー!」


一人の男子がこちらを指差して言い放った

するとその隣のもう一人の男子が机に座りながら笑った


「ギャハハハハ!その後片付けみょうじ一人でやれよ!」

「うわっ!コイツ何で上履きじゃなくて外靴のまま上がって来てんだよ」

「アレじゃん?上履きと通学靴間違えたとか?」

「超馬鹿じゃんそれー!!」



馬鹿なのは貴方達・・・


この程度でしか私をもてなせないのかしら・・・



期待を裏切られてガッカリきていた私は無意識につい言葉が漏れてしまった


はぁ・・・



馬鹿じゃないの




私の呟いた一言が
予想外だったのかクラスは一瞬で



し・・・ん


と静まり返った


すると
さっきまで私に罵声を浴びせていた男子の一人が見下した様に話掛けてきた


「お前さ、マジムカツクんだけど、調子乗ってね?」



ねぇ貴方・・・

誰に向かってその態度かしら・・・?



『ごめんね、つい本音が出ちゃったの♪』


そう言って相手を挑発した

オマケにとびきりの笑顔を付けて




「マジでムカツク、死ねよ!」


一人の男子が
ガタンっと机を蹴り倒した後
拳を力強く握って殴る体制でこちらに向かってきた




どうしようかしら
普通に避けたら面白くないし・・・


ここは一つ

大人しく殴られておこうかしら?


向こうの好きにさせるのも良いかもしれない




まぁ、退屈しのぎ程度にもなれば良いけれどね・・・





そして私は目を閉じて相手の拳を待った



その次の瞬間・・・

乾いた音と頬への圧力がかかった




『・・・っ』


痛くもなんともないけど
雰囲気を出す為にわざと痛そうな声を出して演出してあげたのよ?


私を満足させてくれる・・・?
 
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