すとぉ→りぃ

□春麗ら
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【春】

始まりの季節

新たな出会いが生まれる時

【麗らか】

よく晴れておだやかな日



まさに今日の様な日



【春麗ら】



今日から新しい日が始まる。
神奈川でも文武両刀と有名校である
立海大付属中学校に
今日から通う事になった。

まだ人気の無い
桜並木が続く通勤路


ゆらり ら ゆらら


薄紅色の優しさに祝福されている様で

一人でも胸が温かくなる

本当なら友達と登校する予定が新入生の挨拶を先生に頼まれた為
断れず朝早くに一人で
登校する事になってしまった…


逆に一人で良かったのかも知れない

薄紅色のアーチを独り占めしている様な感覚

見上げれば雲一つ無い青 。

薄紅色と透き通る青の
コントラストに酔いしれながら少し立ち止まる。


綺麗…

我に返り急がなければと
早足で校門をくぐろうとしたその時


「……!?」


大木と言える桜の木の下
見慣れない顔をした少年
がうつらうつらと
眠そうに桜の木に寄り掛かって居た。

顔立ちは整い
スラリとした体型
灰色と言うよりは銀に近い髪がなんとも印象的で目を引く

制服を見ると着崩されているが
まだ真新しいので自分と同じ新入生だと伺える。

しばらく立ち止まり眺めていると
こちらの視線に気付いたのか
大きなあくびを1つして
背を正しこちらを見た。



「……!!
スイマセン…
綺麗だったので思わず見とれてしまいました…。」

「……。綺麗?あぁー桜?」

そんな事を言いながら
立派な桜の木を指差す。

「えっと…。えぇ、そうです」

違うけれど話を合わせてみる事にした。
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