『管理人恐怖体験談』

□◆◆桜◆◆
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あれは私が中学2年生の頃の話です。

その頃私が住んでいた実家の近くには幾つかの公園がありました。
どこにでもあるような、よくある小さな公園です。

今回はそんな何気ない場所で起こった体験を1つ・・・


あれは、夜の8時頃から友達5人で公園で話していた時でした。
その公園には、公衆トイレと集会所のような会館(葬儀などにも使われる)があるのですが、町内の老人会の人達が花見をするような場でもあったようで、桜の木が会館脇に何本か生えています。
1人の友人(仮にAとします)がその会館に背を向けて立ち私は彼女の方(会館の方)を向いて、いつも通りグダグダと訳のわからないことを笑って話していました。

何分か話していたのですが、不意に桜の木の根元にぼんやりと靄のようなものがかかっているように見えました。

A『どこ見てんの?』

私『いや…なんやろあれ…』
その時はまだ不気味だとも、怖いとも思いませんでした。霊的なものを見たのは初めてではなかったんですが、まさか霊だとも思わなかったので(笑)
A『オバケとか言わんでよ』
Aが怖がってそんなコトを大きな声で言うので、他の友人達も寄ってきて、私の目線を追いました。
そして、友人の中でも霊感の強かったCが小さな声で言うんです。
C『あれは、やばいな…』

私『女の人…や…』

C『こっち睨んでる』
その靄のようだったモノは
ジッと見ているうちに少しずつ形を整え、20mほど離れた場所にいる私にもしゃがんだ女性だと、ハッキリわかるほどの姿を現したんです。
長い髪に白装束、青白い顔…絶対にこの世のものではありません。
その女性が私がその存在に気付いてくれるのを悟ったかのように私を睨んでいます。
金縛りとまでは、いきませんが私は固まったように、その女性の霊から目が離せませんでした。
どのくらいたったんでしょうか…時間にすると1分?いや30秒くらいだったかも知れません。
突然Cが私の背中を強く叩き『出よう(公園から)』と言いました。その声にあおられるように公園を飛び出しCの家へ…女の霊はついてくることはしなかったので、Cと2人胸を撫で下ろしました。

今は地元から離れた場所に住んでいて最近の状況はわかりませんが、あの霊はあの桜の下にいるのか時々気になります。

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