お話
□CLUMSY-BOYS
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1.
すいません10代目。とんでもないですよね。10代目の右腕であるこの俺が、貴方に嫉妬するなんて。
「ツナッッ!!」
そう叫んでお前はいつも10代目の元へ駆けていく。無論俺もな。必死な顔でビッショリ汗かいて。俺にはそんな顔見せないくせに。基本半笑いで、俺がどんなに哭いたって、お前は顔色も変えずに俺を責める手の、腰の動きを緩める事はない。
護られたい訳じゃない。
時々思うんだ。お前の10代目絡みの行動が、俺みたいに忠誠心からじゃないんじゃないかって。だから、お前が10代目の家に先に着いてっと、自己嫌悪に陥る様なひでえ妄想が頭に浮かんじまう。
笑うなら笑えよ。俺だけになら、幾らでも。俺だけになら。
俺に好きだって言っといて、そんな事微塵も考えてねえの?
俺を抱きながら、本当は違う誰かと置き換えてんの?
俺は、お前にとってどんな存在なんだ?
すぐ近くに居るのに、ちょっと手を伸ばせば簡単に届くのに。俺の余りある程の自尊心が、正直な行動を阻害する。