お話
□Thanks God!! #
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１．
……野球は一ヶ月お預けだってさ。キツいな〜。でも貴重な体験には代えられない。
ありがとう神様！
金曜の午後。俺にとってかなり憂鬱な時間。だって数学と英語が続くんだぜ?!しかも週の最後に!!ありえねー。だから晴れてる時はいつも屋上に行くんだ。
此れは言い訳。本当の理由は他にある。
『お、また来てたのか獄寺』
わざとらしく偶然を装う。お前が来てっから俺も来てんだけどな。
「……お前か」
最初は自分のテリトリーが侵されてる様に感じるらしくて、いつも不機嫌だったけど。今では獄寺の中で屋上が、"俺の場所"から"俺と山本の場所"になったっぽい。スゲえ嬉しい。また不機嫌になっちまうから言わねえけどな。
『何してんの？』
「…別に」
『ふーん。じゃあ俺も』
さりげなくすぐ隣に腰を下ろすと、獄寺は何故か立ち上がった。出口の方へと向かう。
『ドコ行くんだよ？』
「授業。ちっとは出ねえとな」
こいつが自ら授業に出ようとする奴じゃないのはわかってる。……独りになりたいのか。