お話

□TODAY's dish is... #(連)
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1、


『獄寺…俺もうダメかもしんね……』

 一言。その一言だけ残して山本からの電話が切れた。
「おぃ!おい山本ッ?!どうしたんだよ!」
 ツーツーという音に対し、虚しく俺だけの声が響く。
「……くそっ何だってんだ…!!」
 いつも。10代目と話してっ時も、3人で飯食ってっ時も、俺とヤ……まぁそれはいいや。とにかくいつもヘラヘラ笑ってやがる山本が弱音を吐くなんてよっぽどの事だ。
 気付くと俺は、山本の家に向かって駆け出していた。
 そーいやあいつ、両親が旅行行って今日は独りだーっつってたな。…尚更まずいじゃねーか!!倒れてたりでもしたら……ッ、死ぬな────!!


 全力疾走で息も絶え絶え目的地に辿り着いた俺は、インターホンも鳴らさずに玄関を突破し、一直線に山本の部屋に繋がる階段を駆け上がる。
 夜だというのに半開きのドアからは明かりが洩れておらず、その深い闇が俺を一層不安にかき立てる。
「山本ッッ」
 騒々しくドアを開けると、そこは人の気配が感じられない。
「おい……居ねーのか…?」
 見覚えのある部屋に足を踏み入れる。
──ゴッ──
 出した足に妙な感触。
『……うっ…』
 その物体は呻き声を挙げる。俺は物体が何なのか気付き間抜けた声を出した。


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