もじ

□ヒサカタノ 【★】
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恋人との夜の逢瀬。

闇の中を人工的灯りが、揺らめく桜と銀色の髪を淡く光らせる。

その己とは正反対の色をした髪に、舞い落ちた幾つかの花弁が大の男の心を躍らせる。

桜を払う口実に柔らかなそれに触れてみると、そこから生まれた相手の微笑みすら見物の対象だ。

けれども、ただ眺めているだけで満足出来ようか。花より団子。

桜よりも、己が心惹きつける大切な者を欲して罰が当たるとしても、甘んじて受け入れてみせよう。

愛しき体に自らが花びらを散らしてやりたい。
そしてその唇から蜜より甘い吐息を零させ吸い付きたい。

引き寄せてこの腕に収めてやれば、さして抵抗は無く、どちらともない接吻けに酒が無くとも酔いしれる。

この桜は見ているだろうか。

ならば、許してくれ。

今この欲望に堪えるくらいなら、散ってしまった方がまだ良い。

乱れる二人の着物、息…。とてつもなくいけない事をしている気にさせる大きな樹木に満開の小さな花達。

余裕なんぞも俺の足下か。

ただ欲しいが儘に抱けば木も揺れる。
その吸い込まれるように地面に落ちる一片に願いも一つ。


永遠とは言わない、少しでも長く一緒に。

桜の木に誓う。

「俺ァオメーみてェに簡単には散らせねーぜ」





終わり




最後の台詞を入れるか悩みました。
あとキャラ名無しで頑張ってみました。それほどの意味のあるモノではないですが。
つか何気アオ●ンですねェ。
20070414

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