もじ

□チケット 【★】
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「万事屋…」

「お、多串くん…」

休暇だからと呼び出されたはいいが、街中だというのに常に瞳孔が開き気味なその目をギラつかせて迫ってこられては…
「目が怖いよ…?」

と、思わず本音ポロリ。

「あ、ああ…悪ィ……あのよ…こ、これ…貰ったんだが……一緒に行くやつ、いねーし……つきあってくれや」

明らかに平生とは違う喋り方から緊張が見え俺は不思議で思わず首を傾げる。

僅かに震える手で懐からそっと出された小さめなカラフルの紙を受け取るべく手を差し出した。

「ん?何かあんのか?」

マヨネーズ特価の割引券か何かかと冗談で思えば受け取ったその紙は、割引券は割引券でも、ラブホテルのそれだった。

「……………」

銀さん言葉が出てきません。

ああ、よく駅前に自転車放置しておくと入ってるよねー。オープンで半額ってすげェ。とかって答えろってか?!
なんでラブホテルへの誘い文句が一緒に行くやついねーしなんだよ!!
俺ら付き合ってんだし当たり前だろうが!他の奴と行ったら殴るぞコノヤロー!!
デートの誘い方の三流マニュアル本でも読んで失敗したクチじゃねーのかコレ?!

「…嫌か?」

心の中で散々叫んでいると、土方の不安そうな顔。

えー?おかしくね?その態度変くね?

「い、やァ…あの、さ多串くん…どうしたのコレ?」

取り敢えずありきたりに理由なんぞをば…。

「道でもらった」

………そうか。

土方は意外と世間知らずだと思う。
街頭で配ってる物は断る事なく貰ってきてポケットティッシュは使えるからと取っておいたものが逆に配れる程ダンボール箱一杯になっていた。
俺はラッキーとばかりにそれを譲り受けたが。

「俺と行きたいの?」

「………」

照れて頷く。

あーー!いい歳して何照れてんのコノ人!

かわいいじゃねーか!

仕方ねェここは俺が一肌脱いでやらァ。

あ、ホントに脱ぐのか。

「いいよ」

俺が優しく答えれば、パッと明るい顔になった。

ぷぷ、これで真選組鬼の副長だってんだから、とんだお笑い種だぜ。

真選組の連中に見せてやりてェよ。
……いや…やっぱ俺だけでいいや。

綺麗な黒髪を一撫でして、照れ隠しに不貞腐れた土方を横目にいざラブホへ。



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かわいいかわいい土方くんは、ヘタレ…いや優しいので無理強いはしません。

でもちょっとそれがたまに焦れったい。
なんざ…言えねェ。

いや、言えなかった。今日までは。

「あっちょ…も、いい…んっ」

「いい?」

「ちが…」

いやいいからって…言いたかった…。

だってヘタレのはずの土方が前より巧くなってるし!

どういう事だ?

「ん…ヨかったか?」

どこか嬉しそう訊ねてくるのに俺は一気に不安ですよ。

「………巧く、なったね。どっかで覚え、た?」

ああ何コレ女々しい…。嫌味っぽい。

けれども気になる。

しかし土方は鈍いのか俺の言った事の意味そのままに返してきた。

「本で…」

「ほ…本?」

エロ本?

あり?ちょっと…勘ぐった俺が恥ずかしいけど…。

「勉強したんだ?」

素直に頷く土方が可愛くて思わず抱き締めてしまう。

「ね、その本後で見せて?」



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「…………………………」

絶句。

ラブホテルでやる事やってその足で屯所に向かい土方の部屋で見せてもらったそれは…エロ本だけども男同士のエロ漫画で…。

「総悟がくれた」

「……へェ……」

いやツッコミてェよ?だけど俺にも限度があるっつーか…ツッコミどころ満載でどっからツッコみゃァいいんだよ!!
土方から見たら今日の俺は大人しかったかも知れねェな。

人生勉強になったかも、と前向きに考える事にして本を閉じた。

何だかんだあっても、俺がコイツを好きなら問題無い。



終わり





ベッドシーン曖昧過ぎてすみません。いつか無駄に加筆します。勿論予定で。
ちょっと苦手な感じのにトライアゲイン。アゲイン?
何が苦手っかーつーと、フォモ漫画が出ててきて尚且つそれを知人に貰っててしかも読んで実行してるとこが。
南谷自身が他人様のを読む分には一向に構わないのですが、書くとなると何かそういうエピソードってはずかしくね?と思うのです。
で、結果、ハズい。

20070421

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