もじ

□white love
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「あ…雪」

見とれていた。

「寒ィもんなァ」

よどんだ空を見上げて銀色へと染まろうとする世界に白い息を吐く。

遠くを見つめる瞳。

消える

かと思った。

オメーがあんまり綺麗だから。

元日の街中は不思議な程人が居ねェ。

その中で、白いソイツの腕を力一杯引っ張り抱き寄せる。

「いでっ…」

雪が似合うお前。

そのまま一緒に溶けて消えてしまったら、

どうしよう。

「土方くん、どうしちゃったの」

時折、

俺の知らない顔をするお前が、俺は恐い

行くな

なんて、格好悪ィから言えねェよ。

だから、離さねェ。

強く強く抱きしめれば、お前の呻き声が聞こえた。

知ったこっちゃねェ。

「……」

肩を震わす俺の背中をポンポンと優しく叩くオメーは何も言わない。

少しだけでいいから、このまま……。

「早く帰ってさ、アイス食おうぜ?」

「……いや、俺ァオメーが食いてェわ」

顔を上げれば、マフラーに埋まっていた白い頬が、新しく朱に染まる。

「……元気だね」

今は凄く、お前の体温感じていたいから

抱かせてくれよ…


銀時。





end



寒いですよね。ええ。寒いです。

20080105

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