もじ

□不治の… 【★】
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「寒ィ部屋」

国語準備室に入るなり呟く一人の生徒。

その生徒を連れて先に準備室足を踏み入れて居たにも関わらず、わざわざ黙っていたというのに別の人物に口にされると何故か腹立たしくなるものだ。

「土方くん、寒いつったら余計寒くなんだろ!」

「多串ってボケんの忘れてますよ。つーかうっせーよ。暑い暑い暑い。これで満足ですか、先生」

先生と言われても、その威厳まるで皆無な教師はわざとらしく肩を落として二つだけある席に着く(二つの席は二人の教師が使うため)。

「多串くんキミね、そんな古典的な返事されても困るわけ先生は」

主に子供がやり取りするような内容だろうか。
勿論、寒いものは寒い。それ故、教師は目くじらを立てて土方を睨んだ。

「多串じゃありません。って、サラリとボケ直してんじゃねェよ」

「そんなんどうでもいいから、あっためてくれ!」


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