もじ

□不治の… 【★】
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「…ムカつくなオイ。ったく、しぁーねェ」

教師は資料室のエアコンが壊れているせいで不機嫌で、土方への態度がいつにも増してつんけんとしていた。

しかし土方は逆にそんな所も可愛いと思いつつ、その教師用の椅子に座ると教師の腕を引っ張り自身の膝へ座らせた。

当然教師は最初は訳が分からず呆然としていたものの、把握を状況し内心狼狽えた。

「オイ、何でそうなるんですか。先生仕事するんですけどー」

「くっついてるだけですから、どうぞ仕事して下さい」

「……」

複雑な顔をしながらも背に腹はかえられないと、いつもより座高の高くなった机を見つめ仕事を始める。

土方は教師の体を抱きしめつつ、白衣の襟から覗かせる襟足に鼻先を寄せて息を吸う。

(甘ェ…)

教師が放つそれか、はたまた己が彼を焦がれるために感覚的なものか、いずれにしても甘い香りに酔いそうになる。

「銀八…」


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