□キリリクetc

オトギホン
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「ねぇ、熱斗。今から家に来てくれない?」
『え…?別にいいけど…今から?』
「えぇ。ロックマンもちゃんと連れてきてね」
『…?うん、わかった』
「熱斗の好きなチャーハン作ってあげるし、マンゴージュースも用意してあげるから」
『マジ!?わっ、行く行く!!』
「ふふっ…じゃあ30分後に来てね」
『うん、わかった!』

プツン、とオート電話を切ると今度はもう一人の、登場人物、に電話をかける。

「あ、もしもし炎山くん?よければ今から家に来てほしいんだけど…」
『オレは忙しいんだが…』
「熱斗もくるんだけど…そっか。炎山くんはこれな」
『いや、今から行く』
「そう。…あ、マンゴージュースの用意お願いね」
『…何でオレがそんなもの用意しなきゃならな』
「えーと?熱斗が好きな飲み物って何だっけー?」
『今すぐ用意して伺わせてもらう』
「フフッ…よろしくね」

プツリ、とオート電話を切ると電話の主はクスリと笑う。

『メイルちゃん…本当にやるの…?』

今までの電話の主──桜井メイルは自身のナビ、ロールの問いに笑って答える。

「当たり前じゃない、ロール」
『どうなっても知らないよ…?』
「もう…」

メイルは机の上に置いてあるアンティーク調の厚めの本を取る。

「こんなにおもしろそうなものがあるのに使わない人がどこにいますか」

嬉しそうに、楽しそうににっこりと笑うメイルにロールはため息を吐く。

『…本当にしらないからね?』
「だーいじょうぶよ。安全性は確かなんだから」
『………』

鼻歌を歌うご機嫌なメイルにロールは何も言えなかった。
否、言っても無駄だと諦めた。

(皆、メイルちゃんを止められなくて、ごめんなさい…)

願わくば、少しでも被害が少なく終わりますように。
今のロールに出きるのはそう願う事だけだった。

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