11周年&日番谷誕生祭

□反論さえ呑み込んで
1ページ/3ページ




何時もの定例会後に総隊長に残るように冬獅郎と共に言われた。そこで1枚の書類を渡される。内容を見ると合同任務のことだった。






「お主らの隊は他よりは連携も取れ、迅速にことが運びそうじゃ」





そういうと総隊長は笑っていた。私たちの関係は上位席官なら知らない者はおそらくいない。






「かなり大掛かりな討伐になるよ、これ」






「そうだな。千鶴。書かれている以外の情報が欲しい。調べられるな」






「専門分野だからね。調べがついたら教えるね。ついでにできるだけ減らしてくる」





「頼む。あまり無理するなよ」




「無理する程、詮索はしない。心配症なんだから」




私も人のこと言えないけど。それを悟ったのか軽く私の頭を小突いた。そんなことをしていたのがほんの数時間前のこと。



「隊長。だいぶ減らしましたね」



別れてすぐに飛来を連れて調査に向かった。思っていたよりも小規模であったが数が多すぎた。



「調査も兼ねた討伐だったからな。おそらく出てきているのは雑魚だ。これ以上拡大されても困るから、念には念を入れてこの辺、一帯に結界を張っておこう」




「そうっすね。それにしても十番隊と合同任務なんて珍しいっすね」



「他より連携が取れるからという理由らしい。総隊長直々に言われた。それより飛来。あと、任せていいか。私は先に帰って編成等の打ち合わせをしてくる」



「了解です。編成のことで喧嘩しないでくださいよ?」



するかと言い残し、飛来に後を任せて私はその場を後にした。いくら飛来の結界でもそんなに長くはおさえることはできないであろう。火種は小さなうちの方がいい。合同となった時点で小さいとは言えないかもしれないけど。早いに越したことはないので私はさらに足を早めた。










§§§§


彼女が偵察に行って2時間が経った。おそらく被害が拡大しないようにご丁寧に結界も張ってくるであろう。気配を感じ顔を上げると先日九番隊から移動して来た東堂が話しかけて来た。



「中谷#隊長と仲がよろしいんですね」



上位席官なら俺と千鶴の関係は周知だが、それ以外はほぼ知らないであろう。そもそも千鶴は仕事関係以外ではこちらに余程のことではない限り、顔を出さない。俺はよく行くが、その度に叱られる。隊長がほっつき歩いてどうする!示しがつかん!とよく言われる。だいたい、松本が十四に逃げ込むわけであるが…そのことを言ってるのであろう。



「同期で幼馴染だからな」



前に同期と言って悲しそうな顔されたことを思い出す。あの時は確か、あいつが現世駐在任務から帰って来た直後。感情表現は苦手ではあったが、分かりやすかった。そう考えるとまだ可愛げがあった。本人に言うと間違えなく睨まれるので言わないが。



「幼馴染ですか…なら私にもチャンスありますよね?」



このパターン。前にもあったような覚えがある。今回はどう言って断るかだ。



「東堂…悪いが」


今にも泣きそうになる東堂にどう話しかければ。こんな時に松本がいれば多少のことはどうにかなりそうではある。そして見知った霊圧も近づいて来た。目の前の彼女もそれを気づいているのか、わざと抱きついてきた。それと同時につい先ほどまでは聞きたくて仕方がなかった声。今はできれば…



「忙しいところ悪いが、現地調査の結果を踏まえて編成を……」
















次へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ