ブレイム・ヒーローズ

□呼び声ーー怪獣ーー
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――真っ白い霧の中、僕はそこにいた。あの赤い悪魔は何処? また痛い事されるよ。また泣いちゃうよ。ただ正義の味方をやりたかっただけなのに。見上げて見えるあの人に近づきたかっただけなのに。あのとき僕は落とされて、体中が痛くて、でも涙より意識が遠のく方が強かったな。またあの人が来て、悲しい目で僕を見て去っていった。そこから覚えてない。もう僕はいなくなっちゃったと思ってた。でもここで元気に立ってる。痛みなんてもうない。でも、何だろう?体の中を回ってるこの熱いものは。頭がクラクラする。




――深い霧の外、自衛隊によるゴジラ掃討作戦は終了を迎えようとしていた。全メーサー車、冷凍メーサー車隊は後退を開始している。

「全機帰還せよ!皆、もう奴は消滅した!俺達は勝った!もう国民を、国を壊す奴はいなくなった!」

全メーサー車に感極まった男の声が通信される。その声に他のメーサー車搭乗員から笑みがこぼれる。しかし操縦席の隊員は外の光景を見て一瞬でその笑顔が凍り付いた。

「…隊‥長…隊長‥」

先ほどの通信の男が呼ばれる。男は部下の急な気の下がりように嫌な予感が走った。

「どうした…まさか…」

「また、悲劇は‥繰り返されるようです…」

霧の中から聞き覚えのある、轟音のような雄叫びが木霊する
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